2020年12月31日木曜日

ランナーは10m離れることを推奨する未査読論文のその後


20204月に、ランナーが集団走する場合、前後に10m離れることを推奨する未査読の論文が話題になりましたが、その後について2020年大晦日に書いておきます(論文へのリンクはこちら)。 

メディアで取り上げられている図です。出典はこちら

 

結論を最初に書くと、まだ査読を通っていないようで、学会誌には掲載されていないようです。著者の業績リストに載っておりませんので。論文が公表されてから8カ月以上経ちますが、まだ査読を通っていないようなので、Major RevisionRejectになっているのではないかと思われます。つまり、何らかの大きな問題が指摘されて大幅な書き直しを要求されているか、学会誌に掲載しないという判断になっている(別の学会誌に提出することもできますが)と思われます。


査読を通っておらず、学会誌に掲載されていない論文が定説になってしまうのは違和感があります。そもそも、この論文の前提条件は、集団走を長時間しているランナー達についてのケースです。一瞬しかすれ違わない人への感染リスクは非常に低いということは、この論文の著者たちが事後に出したQ&Aで触れています(Q&Aへのリンクはこちら)。また、このQ&Aの中では、屋外での運動を推奨していますし、1.5m離れるのであればマスクをする必要がない、ということも言っています。


日本では新規感染者数が増加傾向なので、社会的距離や自粛を保っていくのが良いと思いますが、この状況が長期化しております。ストレスが溜まってきていて発散するためや、運動不足解消のために、手軽にできるランニングをすることは良いことだと思います。他人がマスク無しで走っているとかは気にせず、ストレスをため込まないようにしたり、運動して免疫力を高めたりして、喧嘩をして警察のお世話にならないようにしたり、病気や怪我をして医療関係者のお世話にならないようにした方が良いと思います。 


以前書いた記事はこちら




0 件のコメント:

コメントを投稿