2022年7月24日日曜日

Garmin Forerunner 955とGarmin Foreathlete 910XTJのGPS精度比較

 今回はGarmin Foreathlete 910(以下910)とGarmin Forerunner 955(955)の比較です。GPS精度の良いGPSウォッチを求めていろいろと探してきましたが、待っていた955がようやく発売されたので手に入れました。マルチバンド対応(L1信号・L5信号)で、ビルの谷間や林間部でGPS精度が向上するといわれています。


955を手に入れてから10コースを比較のために走ってみました。結果を最初に言うと、GPSの精度は955よりも910の方が良さそうです。計測距離は955よりも910の方が正しそうですし、走った所をより正確にトレースできていそうです。955はこれまで比較してきた機種と比べると910に近いですが、折り返しの位置がちょっと短かったり、カーブをちょっとショートカットして記録する癖があるようです。

10コースの走行結果を表にまとめると以下の通りです。計測時は910と955は両方とも左腕につけて走りました。左腕右腕の差による距離の差はありません。停まっているときに同じスタート・ゴールの場所で計測開始・終了を押しています。また、レコーディングレートは毎秒です。ほぼ同等の計測条件です。違うのは955をマルチバンド対応(L1信号・L5信号)設定にしてあるだけです


この表からわかる傾向は、まず910の計測距離の方が955よりもほとんどのケースで長くなっています(常磐道沿いだけは長さが同じなので、これだけは例外です)。ほぼ直線のコースだと1kmあたりの差は1~3 mで、周回コースになると0~21 m、折り返しや曲がりが多いお絵描きコースだと2~6 mズレてしまうようです。Mapでの計測距離と比較すると910の方が良さそうです。

910と955GPSの軌跡を地図に重ねて比べてみると、どちらもGPSの軌跡の重なり具合が良いようですし、実際に走ったようにトレースできているようです。ただ、955は折り返しの位置がちょっと短かったり、カーブをちょっとショートカットして記録する癖があるようです。例えば以下のタツノオトシゴコースの軌跡の結果では、左が910の軌跡で、右が955の軌跡ですが、微妙な違いですが、折り返しの位置がちょっと短かったり、カーブをちょっとショートカットして記録している傾向があるのが分かります。


この結果では955のGPS精度は910に近いものの、ちょっと劣っているかなと言う感じです。910は10年近く前に発売された物ですが、GPS精度に関しては非常に完成度が高かったようです。その後はデザインをスタイリッシュにしたり、光学式心拍計などを組み込んだりして、GPS精度が犠牲になっているのではないかと思います。ただ、955の良い所としては以下の点があります。

  • GPSの電波捕捉が速く、空の見える開けた場所だとだいたい数秒から十数秒ぐらいで捕捉完了になる。同じ条件で9102-3分ぐらいかかる。
  • 歩数・ピッチ・歩幅・心拍数・ボディーバッテリー・暑熱順化などのデータが取れる。

910の難点はGPSロストがたまに発生するところですね。ビル街や林間コースなど空が見えにくい所を走っていたり、特に問題ないような所を走っていてもごく稀にGPSの軌跡がどこかへ飛んで行ったり、ロストしたりします。955は買ってから今日までの3週間ちょっとはロストしたことはありません。マルチバンド対応のおかげで複数の周波数でGPS電波を受信するのでロストしにくいのでしょう。910がかなり痛んできているので、精度が比較的高く、ロストしにくい955が今後の相棒になりそうです。

この結果は個体差の可能性もあるので、常に910の方が955よりもGPSの精度は良いということは言えません。この結果が統計的に普遍性があるかは、少なくともそれぞれ30台ぐらいのデータを集めないとハッキリとは言えません。

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